自分らしく、仕事をすればいいと考える。たとえ職場でもっと自信をもって仕事をしろと言われても気にしなくていい。自信満々という方が信頼できないこともあるので、自信が持てないと悩むほうが、おかしいと考えていいのです。すると自信満々なんておこがましいという普通の感覚を身に付きます。ただし、自身が仕事として担っている専門として関わっている分野においての範囲には小さな自信を持たなければなりません。自信を付けるために、依頼した人の期待している小さなポイントだけは完璧にこなせるように精進する。

素直で謙虚な人になりなさい。自信の源になる経験を積むために必要なことです。リーダーとしての能力があるといっても、立場を経験したことが全くなければ力を発揮することが出来ない。英語にしても語学力を高めるには、実際に海外へ行って何年も会話をしている人は、全く話せない人でも話せるようになると聞いたことがあります。自分の仕事に自信を持つために、コツコツと経験を重ねるしかない。日々の学びは毎日の仕事から何を学び、自身の中に何を蓄積していくかがポイントです。素直で謙虚は人としても大事なことです。自信と謙虚密接につながっている。自身が担える範囲はごくわずかだという事を知り、範囲内で誠実に学ぼうとする謙虚な人が最終的に本物の自信を得ます。

リーダーほど目立ってはいけない仕事はない。リーダーはこれをやっておけばいいと特定することではない。部下に自信をつけさせてあげることである。新人に対して一つの経験を与え、自分でやったという自信をつけさせる事がリーダーに課せられたもっとも重要な役割となっている。つまりリーダーは親の視点で部下を見るもの。だから、リーダーは適した仕事を責任だけ受け持って、気楽にやらせる事で、ストレスなく経験を積ませて自信を植え付けることが大事です。部下の実績は公表することも大事です。たとえ部下の担当した部分が10%で自身の担当部分が残りの90%であったとしても部下のおかげと評しておけばいいのです。リーダーの意味は相手に自信をつけさせるのが仕事であって、自身の技術や能力が優れていることを主張するのが仕事ではないです。みんなの前で褒められて次もっと頑張ろうと思ってもらうことで十分で、良くなるように仕向けるのがリーダーの仕事です。会社などのリーダーは、名前が出る機会さえないかもしれません。リーダーというのはわりに合わない役割で、本来の仕事なので仕方がないです。人前に出て賞賛を浴びたいなら、絶対にリーダーなんてやるべきではありません。完全に不向きな役割です。ボランティア精神に似ていると感じます。人を救いたいと願う勇敢な人であれば、気持ちの問題でやり抜けるものですが、本人次第です。

人を育てるに先立って、やらなければならないことは自身を育てる事です。自分一人の領域で仕事を完璧にこなすのと、「人を育てる」「人に教える」というのは全く違う仕事です。「教える」とは、100%相手の立場に立って考える事。どんなに立派な話をしても、相手が理解できなければ、教えたことになりません。相手が理解して初めて、あなたは「教えた」といえるのです。現場では「どうして、こんなこともできないんだ!」「なんでこんなこともわからないんだ!」と怒ってしまうことがあるが、怒ること自体、おかしなことで、教え方が悪い事を棚に上げてるからです。誤解してはいけないところです。ベテラン(あるいは先輩)は、人格者でなければ成立しない存在であるのを忘れてはいけないからです。自身がやってみてから他人にすすめる。誰かに何かを教えるときの基本であるべきなのです。「何もできない自分を自覚する」。新人とは、「怒られても怒鳴られても、文句のいえない人」でなくては立場を理解しているといえません。完璧を求められる仕事の現場にあって、まったく役に立たない人を新人というからです。新人というのは、何でもいいから勉強し、少しでも役に立つ人間になれるよう、ひたむきに努力しなければなりません。新人が我を張って「ああだ、こうだ」と不満をいうなど、あり得ない話なのです。ベテランにはベテランなりの、新人には新人の学ぶべきことがあり、やるべきことがあります。

能力のある人は怒らないものです。仕事でもプライベートでも、自分の思うようにいかず、ついイライラしてしまうことがあるでしょう。「つい怒ってしまう」というのは、能力が底を打ったということです。本当に優れた能力を持ち、余裕を持っている人は怒ったりしないものです。つまり、能力をつけることで怒らずにすめばいいという考えです。怒りを静めるのではなく、簡単に怒りが湧き起こってこないレベルに達するしかないです。教育評論家たちは「怒るのではなく、叱ることが大事」といい、余程の修行を積んだ人格者でもない限り、「怒らずに叱る」なんて、できるわけがないのです。現実は、会社の上司が部下に向かって「おまえのためを思ってのことだぞ」、学校の先生が生徒に向かって、「いまはわからないかもしれないが、必ず将来おまえの役に立つからな」などと言って叱ったりしていますが、本当でしょうか。心の中では怒りを感じている人も、けっこういるのではいでしょうか。「叱る」というのは難しいからです。